こんにちは。遠藤 暁(@str_se)です。
JICAボランティアと聞くとほとんどのひとが「2年間の長期ボランティア」を思い浮かべると思います。
ぼく自身も2018年度1次隊の長期ボランティアとして活動しているので。
しかしJICAボランティアには、他のパターンもあるんです。
先日書いた記事では「大学連携ボランティア」をご紹介しました。
これは大学とJICAが提携して、その大学のみからボランティアを派遣するというもの。
詳しくはこちらの記事をご覧ください↓↓
・大学生必見!!学生のうちに参加できるJICAの「大学連携ボランティア」
そして長期ボランティアでも大学連携ボランティアでもなくもう一つのパターンが、今回ご紹介する「短期ボランティア」。
長期ボランティアが2年間の任期なのに対して、この短期ボランティアは任期が1か月〜1年と短いのが特徴。
「学生のうちに少し途上国でボランティアをしてみたい」
「2年間のボランティアはちょっと長過ぎる」
と思っているひとにオススメ。
ぜひこの記事を参考にしてください。
募集時期と派遣までのスケジュール
短期ボランティアの募集時期は、年に4回あります。
・4月中旬から
・7月中旬から
・10月初旬から
・3月初旬から
短期ボランティアに興味があるひとは、この時期にJICAのホームページをチェックするようにしましょう。
また応募から派遣までのスケジュールを、例として上げておきます。
基本的に応募〜派遣までは5ヶ月や半年くらいかかりますね。
ちなみに上記の表は2018年度のものですので、ほかの年度では若干の変更がある場合があります。
ですので応募の前には必ずJICAのホームページを確認するようにしてください。
短期ボランティアと長期ボランティアの違い
短期ボランティアも長期ボランティアも両方「JICAボランティア」であることに変わりはありませんが、なにが違うのでしょうか。
少し見ていきましょう。
派遣期間
一つ目の違いは名前の通り、派遣されるのが「短期」なのか「長期」なのか。
記事の冒頭にも書きましたが、短期ボランティアは派遣期間が「1ヶ月〜1年」。
それに対して長期ボランティアは「2年」。
2年間の任期に比べたら、1ヶ月なんて本当にあっという間。
派遣期間が1番大きな違いといっていいでしょう。
派遣前訓練
もうひとつの違いが「派遣前訓練」。
2年間の長期ボランティアとして派遣される場合、必ず90日の訓練を受けないといけません。
この訓練では主に語学勉強や安全対策に関する講義、JICAの取り組みやボランティアとしての心構えなどを学びます。
長期ボランティアのための訓練所は長野県の「駒ヶ根訓練所」と福島県の「二本松訓練所」の二ヶ所があり、派遣される国によってどっちの訓練所で訓練するか決まります。
一方の短期ボランティアは、この「派遣前訓練」が4日間ほどしかありません。
本当に必要最低限のことを学ぶだけで、語学訓練もない。
訓練の場所も駒ヶ根訓練所と二本松訓練所ではなく、JICA東京やJICA横浜といった場所で行われます。
この派遣前訓練の違いも、長期と短期の大きな違いの一つですね。
学生に勧める理由
それではいよいよ、短期ボランティアを学生に勧める理由をご紹介します。
①期間が短い
この「期間が短い」というのは後ほど「デメリット」でもご紹介します。
つまりメリットにもデメリットにもなるんですよね。
長期ボランティアだと任期は2年間。
学生のうちに2年間も海外へいくという選択肢はあまり現実的ではありませんよね。
しかし短期ボランティアなら、長くても1年間。
短いと1ヶ月。
この期間の短さから、かなり気軽に応募できると思うんです。
半年や1年休学してこの短期ボランティアとして海外で活動するという選択肢は、かなり魅力的です。
海外でちょっとした活動をしてみたいひとにとっても、ボランティアとして少し活動してみたいひとにとっても、この「1ヶ月〜1年間」という期間はありがたいですよね。
「気軽に応募できる」という点で、メリットとしてふさわしいと思います。
②お金がかからない
学生が海外へいくための最大の障壁は「お金」だと勝手に思っています。
今ではかなり安く航空券を買えるようになったとはいえ、やはり勉強がメインである学生にとって10万円の出費でもかなりキツイでしょう。
10万円でいければ相当安い方ですね。
しかしJICAボランティアは、海外へいく渡航費・現地で宿泊する宿・現地での生活費もすべて支給されます。
これは短期ボランティアも例外ではありません。
学生のうちに海外でのボランティア経験を積みたいひとにとって、まったく自己負担がなく活動できるなんて魅力的ですよね。
もちろんタダでいけるからという中途半端な理由でいくのは論外です。
しっかりした目的や意思があるひとは、ぜひこの短期ボランティアを活用してみてください。
③長期ボランティアに合格しやすくなる
続いてはこちら。
1度短期ボランティアを経験しておくと、長期ボランティアに合格しやすくなるのは間違いないでしょう。
JICA側からしても、短期ボランティアを経験してある程度JICAに関する理解があって、ボランティアとしての経験を持っているひとを長期に採用したほうが、不安要素は減りますし安心感はありますよね。
それに「短期ボランティア」という制度を始めたのは、長期ボランティアの募集が少なくなってきて「まずは短い期間でボランティアを経験してもらって、そこから長期に応募していくひとを増やす」という目的もあるんです。
そのため「短期ボランティアを経験→長期ボランティアへ応募」というのは、JICAが狙っている流れでもあるんですよ。
ぼく自身学生の時に短期ボランティアを経験し、卒業後は長期ボランティアとして活動しています。
そういった流れを考えているひとたちはぜひ、この機会に「短期ボランティア」への応募も考えてみてはいかがでしょうか。
もちろん短期ボランティアを経験しておけば100%長期に合格するという訳ではありませんが、確率が高くなることは間違いありません。
短期ボランティアのデメリット
メリットだけでなく、デメリットも存在するのも正直なところ。
短期ボランティアのデメリットもみていきましょう。
期間が短い
メリットにも出てきた項目ですが、「期間が短い」ということに関してはどうしてもデメリットも付いてくるんです。
長期ボランティアでさえ
「2年間の中でなかなか思ったような活動ができなかった」
「やっと活動が軌道に乗ってきたころに帰国になってしまった」
というような声も聞くんですよ。
これはつまり2年間という期間の中でも満足のいく活動をするのは難しいということ。
短期ボランティアの活動は1ヶ月〜1年。
長期ボランティアよりも圧倒的に期間が短い中で、満足のいく活動ができるのかどうか。
「そんなの自分次第」と言ってしまえばそれまでですが、派遣される場所がどんなところで、そこにはどんなひとがいて、同僚は協力的なのかそうでないのか。
そういったことがわからない場所に飛び込んで活動をするわけです。
1ヶ月の活動なんて、下手をしたら人間関係を構築するだけで終わる可能性だってあります。
期間が短いとそれだけデメリットも生じてきてしまうのは致し方ありませんね。
語学面での課題
一つ目のデメリットはやはり「語学」の面。
2年間の長期ボランティアの場合、90日間の派遣前訓練の中で語学の勉強もみっちりやります。
駒ヶ根訓練所や二本松訓練所で行われる語学訓練によって、必要最低限の語学力は身につくんですよね。
しかしすでにこの記事でも述べたように、短期ボランティアの場合は派遣前訓練が4日ほどしかありません。
そして訓練の中に「語学の勉強」は含まれていないんです。
つまり語学の勉強は自分でやるしかない。
そして訓練で語学の部分を補えないということは、初めから語学ができるひとが選考において有利に働くこともありえます。
訓練の中でまとまった語学の勉強時間が取れなことは、派遣されてからの活動のやりやすさにも影響を及ぼしかねません。
語学に関しても短期ボランティアの一つのデメリットとなるでしょう。
さいごに
「JICAボランティア」「青年海外協力隊」と聞くと、どうしても2年間の長期ボランティアという印象が強い。
もちろん長期ボランティアが大きな活動であることは間違いないので、その印象が強いのは仕方ないですし悪いことではありません。
ただもっと「短期ボランティア」というものをみなさんに知って欲しいんですよね。
メリットもデメリットもご紹介しましたが、いくつかのデメリットを踏まえてもやはりぼくはこの「短期ボランティア」をオススメします。
学生は1年間の休学でこの短期ボランティアは経験できてしまうので、ぜひ利用してみてください。
学生のうちにこの経験ができたら、間違いなく素晴らしい学生生活になると思いますよ。
ぜひこの短期ボランティアを活用してみてはいかがでしょうか。
ではまた!!
*協力隊に関する記事はたくさん書いています。
・協力隊のお金事情に関する記事
・隊員の持ち物に関する記事
→【青年海外協力隊】これだけは持っていけ!隊員にオススメする5つの持ち物
・大学連携ボランティア
→大学生必見!!学生のうちに参加できるJICAの「大学連携ボランティア」