こんにちは。遠藤 暁(@str_se)です。
JICAボランティアのなかには「大学連携ボランティア」というものが存在するのはご存知ですか?
これは大学の専門性とそのリソースを最大限に活かして、開発途上国の課題を解決しようという取り組み。
解決すべき課題とそのアプローチの仕方の特定をして、そのアプローチに必要な応募者を継続的に推薦できる大学と覚書を交わして複数年かけて取り組むもの。
なぜぼくがこの大学連携ボランティアを知っているかというと、ぼく自身大学生のときにこれを利用してボランティアとして海外に派遣されたからです。
つまり経験者だから知っている。ただそれだけ。
しかしこの大学連携ボランティアの話を友達や知り合いにすると
「そんなのあるんだ。知らなかった」
という反応をするひとがとても多いので、今回この記事にてご紹介します。
もし自分が通っている大学がJICAと提携してこのプロジェクトに取り組んでいるなら、ぜひ参加を検討してみてはいかがでしょうか。
それではご紹介していきます。
JICAと覚書を締結している大学
大学連携ボランティアといっても、日本のすべての大学とJICAが提携しているわけではありません。
記事のはじめにも書いた通り、開発途上国の課題とそれを解決できる専門性がマッチして、なおかつそれに必要な応募者を継続的に推薦できる大学でないといけません。
あまりここの説明をしてもしょうがないので、現時点でぼくが見つけた最新のデータ(2017年10月26日現在)でJICAと覚書を締結している大学をご紹介しておきます。
大学名→派遣国(覚書締結年度)、案件内容の順
・帯広畜産大学→パラグアイ(2011)、家畜飼養管理及び家畜の健康・衛生管理向上
・鹿児島大学→コロンビア・セントルシア(2015)、水産分野の持続可能な開発
・神奈川県立保健福祉大学→ベトナム(2016)、病院における栄養管理システムの構築・運用
・関西学院大学→スリランカ(2014)、体育・スポーツ普及・振興及び青少年健全育成
・北九州市立大学→グアテマラ(2015)、スポーツ・健康振興
・京都大学→バングラデシュ(2014)、コミュニティ開発振興
・聖路加国際大学→タンザニア(2014)、母子保健従事者能力向上
・拓殖大学→ネパール(2017)、農業を通じた農村地域活性化
・筑波大学→カンボジア(2014)、体育・スポーツ普及及びスポーツを通じた開発
・中央大学→タイ(2014)、コンピューター技術教育振興
・中京大学→ボツワナ(2017)、ソフトボール技能の向上と健全な青少年の育成
・中京大学→アルゼンチン(2017)、柔道
・東京海洋大学→コロンビア・セントルシア(2015)、水産分野の持続可能な開発
・東京農業大学→特定の国の指定はなし(2016)、開発途上国の農業分野の課題解決
・鳴門教育大学→ジャマイカ(2016)、算数教育の質の改善計画
・日本体育大学→ネパール(2014)、体育・スポーツ普及・振興
・広島大学→ザンビア(2014)、理科教育・数学教育の質の向上
・北海道大学→コロンビア・セントルシア(2015)、水産分野の持続可能な開発
・横浜国立大学→キリバス・トンガ(2014)、生活習慣病対策の質の向上
・流通経済大学→インドネシア(2017)、ラグビーの普及・振興及び青少年の健全な育成
いかがでしょうか。
実は結構たくさんあるんです。
もしここに記載した大学に通っているひとがいたら、一度いろいろ調べてみるのもアリだと思いますよ。
大学連携ボランティアに参加するメリット
次にこの大学連携ボランティアに参加するメリットをいくつかご紹介します。
学生のうちに海外へいける
まずはシンプルなもの。
学生のうちに海外へいって日本以外の文化や生活習慣、生活レベルを知っておくと、その後の人生に間違いなく活かされるんですよね。
旅行で海外へいくのもいいと思いますが、JICAボランティアとして派遣されることで何かしらの目的を持っていくわけですし、責任感のある中で海外で過ごした方が得るものは多いはず。
ぼく自身この大学連携ボランティアに参加してから国際協力というものに興味を持つようになりましたので、同じように自分のやりたいことが見つかるキッカケになるかもしれません。
ちなみにぼくは「就職」というものを経験したことがないのでなんとも言えませんが、就職活動の際に大学時代にJICAボランティアとして派遣されていたという事実があれば、アピールポイントになると思います。
安心・安全
学生で海外に、特に途上国と言われている国にいこうとすると、「危ないから」という理由で親に反対されるひとも多いはず。
その点この大学連携ボランティアとしていけば、バックにJICAと大学がついているので自分ひとりでいくよりは数倍安心できますよね。
もちろん100%安心安全というつもりはありません。
現にJICAボランティアが事故や強盗などの被害に巻き込まれることはあるので。
しかし親の立場からすれば、大学やJICAのサポートがあるかないかでは子どもを途上国に送り出す際の安心感に差が生まれるのは間違いありません。
JICAと大学のサポートを受けて海外にいけるなんて、なかなかありませんからね。
お金の心配がない
学生が海外にいくのに苦労する理由の一つが「お金」であることはもう明らかです。
とはいえ今はアフリカでさえ、時期を選べば航空券は10万円で変えちゃうくらいの値段なんですけどね。
そうはいっても「学生」とい立場からすると10万円だってなかなかの出費。
しかし大学連携ボランティアだと航空券や宿はすべてJICAが手配してくれるので、そもそもお金がかかりません。
つまりほとんどお金をかけずにボランティアとして海外で活動ができるんです。
倍率が低い
これは「大学連携ボランティア」ならではの強み。
「大学連携」という言葉がある通り、各大学での要請にはその大学の学生しか応募ができません。
2年間の通常のJICAボランティアはネット上で募集がかけられ誰でも応募ができるので、要請によっては倍率がかなり高くなることもあります。
その点この大学連携ボランティアはその大学内での競争となるので、全国応募のものより倍率が低いことは明らか。
日本全国からの応募者と選考段階で競うより、一つの大学内の応募者と競った方が、勝てる確率が高いのは当然のこと。
このチャンスは見逃さないで欲しいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
実際のにぼくが経験してその良さ体験した「大学連携ボランティア」。
思ったより多くの大学がJICAと提携しているので、多くの学生にそのチャンスがあります。
大学生活を充実させるためにも、自分自身の経験値を積むためにも、参加して得られるメリットは大きいです。
もし自分が興味のある分野で大学連携ボランティアがあったら、参加を検討してみてはいかがでしょうか。
ではまた!!
*協力隊に関する記事はたくさん書いています。
・協力隊のお金事情に関する記事
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→【青年海外協力隊】これだけは持っていけ!隊員にオススメする5つの持ち物
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