遠藤暁のブログ

青年海外協力隊に関することを中心に、海外で感じたことや自分の思いなどを発信するブログです。

貧困問題を終わらせる 〜貧困の終焉〜

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こんにちは。遠藤 暁(@str_se)です。

 

 

2019年は国際協力関係の本をたくさん読んでいこうと思って最初に読み終えたのがこちら。

 

 

貧困の終焉

なかなかボリュームがあって読み応えがある本でした。

 

この本では「貧困をこの世界からなくすことは可能である」という訴えをしている一方、それでも貧困がなくならない理由や原因を、著者の実体験を踏まえながら説明してくれています。

 

 

また「貧困」というトピックだけでなく、中国やインドの急激な経済成長の背景などを経済学の観点から詳しく解説しています。

 

 

経済学や国際協力に関する知識があまりないぼくでも理解できる内容なので、ぜひ皆さんにも読んでもらいたい一冊。

 

少しだけ内容をご紹介していきます。

 

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私たちが手を差し伸べるべきひとたち

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「貧困」は三つに分けられるのというのは、みなさんご存知だろうか。

 

1.極度の貧困(絶対的貧困

2.中程度の貧困

3.相対的貧困

の三つ。

 

 

2つ目と3つ目はこのブログでは省略します。

 

1つめの極度の貧困とは、生きていくのに最低限必要なものさえ得られていない状態

・安全な水

・食料

・住居

・衣類

こういったものさえ手に入らない。

 

長期にわたって飢え、安全な水さえなく、病院にも行けず、教育なんてもってのほか。

 

 

私たちがなすべきことは、この「極度の貧困」の状態にいるひとたちに手を貸すこと。

彼らは貧しすぎるあまりに、自分たち自身の力では極度の貧困から抜け出すことは不可能だから。

 

つまり彼らが必要最低限の食料や安全な水を確保したり、必要な医療を受けられたり、教育を受けられるような状態にまで持っていくこと。

 

そしてそれを達成するためにまずやらなければいけないことは、現状を正しく理解すること。

理解することで初めてやるべきこと、進むべき道も見えてくるからです。

 

 

ここからはその「現状」を少しみていきましょう。

 

 

過去に起きていた現実 

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あえて「過去」と書いたのは理由があります。

・この本が出版されたのが2006年であること 

・この本に書かれていることは2006年以前のデータが元になっていること

 

この2点の理由から、あえて「過去に起きていた事実」と書きました。

過去に起きたこととはいえ、今まで起きていたことを学ぶのは大切なことですからね。

 

 

例えばこういったもの。

予防が可能で、治療法もわかっている病気ーーエイズマラリア、肺結核ーーのために、毎日、一万五千人のアフリカ人が死んでいる。私たちにとってありきたりな薬が不足しているために。

 

 アフリカの子供の百万人以上、おそらく三百万人ほどが、毎年マラリアで命を落としている。

引用:貧困の終焉 ジェフリー・サックス

 

毎年三百万人以上のアフリカ人が命を落としていた病気マラリア

協力隊として海外に派遣される際にも、このマラリアに関する注意喚起は嫌という程されました。

 

それくらい恐ろしい病気ということです。

 

 

しかし。

このマラリア蚊帳予防薬で感染する可能性を格段に減らせるし、万が一感染してもちゃんと手当をすれば助かる病気

 

 

ですがアフリカの貧しい地域では蚊帳の1つさえ手に入らず、もしくはマラリアに感染しても薬の1つさえ買えずに、多くの人が命を落としていったんです。

コストの安い治療法が存在しているにも関わらず、貧しい人たちにそれが行き届かなかったが故に。

 

 

この事実は100年も200年も前の話ではなくて、20年30年前のこと。

私たちが生まれて元気に成長してきた過程のなかで、こういったことが起きていた。

 

 

またマラリアに感染して仮に死を免れたとしても、なんども発作を繰り返したり再発することもある。

 

そうなると学校への出席率が下がり成績不良の子どもが増え、結果的にしっかり勉強をできないまま大人になるという負のスパイラルが出来上がるんです。

 

 

マラリアと貧困の関連性 

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みなさんはおそらく

マラリアが蔓延している地域=貧しい地域」

というイメージを持つのではないでしょうか。

 

 

実際に本書でも、貧困国とマラリアがはびこる地域は重なると言っています。

そこから著者は4つの疑問を導き出しました。

一、マラリアが貧困の原因なのか、それとも貧しいからマラリアが蔓延するのか、あるいはその両方なのか。

二、アフリカでとくにマラリアが猛威をふるっているのはなぜか。

三、マラリアと貧困の連鎖を断つにはどうしたらいいのか。

四、いうまでもなく、マラリアと貧困をなくすために、さらに何ができるのか。

引用:貧困の終焉 ジェフリー・サックス 

 

面白い問いだと思いませんか?

一番と二番は、ぜひみなさんにも自分で考えてみて欲しいですね。

 

答えが知りたいひとは、本を買って読んでください。

 

マラリアの被害は、感染して死亡することだけではないんです。

先ほども書いたように発作や再発を繰り返すせいでまともな教育を受けずに大人になるというのもマラリアの被害の一つ。

 

 

さらにこれもマラリアからもたらされる貧困の原因。

子供の死亡率が高いとき、両親は万が一のためを考えて、子供をたくさん作ろうとする。これが悪い結果につながる。子供たち全員に教育を授ける余裕がないため、一人ーーふつうは長男ーーしか学校へ通わせられない。マラリアの蔓延する地域で、子供たちが生き延びて大人になっても、成功するのに必要な教育を受けていないことになる。

引用:貧困の終焉 ジェフリー・サックス

 

マラリアという病気一つをとっても、長期的にみるとこれだけの被害や貧困の原因につながるんです。

 

この本が書かれたときと比べると現在はマラリアの脅威は減っていますが、それでもまだ完全に撲滅されたわけではありません。

 

 

マラリアで死亡する人がゼロになる日が来ることを願うばかりです。

 

まとめ

 

大半がマラリアの内容になってしまいましたが、それ以外のことも数多く書かれています。

 

ボリビアハイパーインフレーション

・中国の経済発展

・貧困をなくすために必要なこと

・どんどん発展していく国がある一方、なぜなかなか発展できない国があるのか

 

などなど。

かなりボリュームがあり読み応えがある本。

 

 

そしてここでもう一度いっておきますが、この本が出版されたのは2006年なのでマラリアでの死者数などは現在はもっと少なくなっているし、貧困に関する問題も間違いなく改善されてきています。

 

 

筆者は貧困という問題を改善していくために必要なことをたくさん本書でも述べていますが、最終的にこのように言っています。

しかし、なんといっても最後は個人の問題である。一人一人が足並みをそろえてとりくむことで、社会は形成される。社会的な貢献は、個人の貢献で成り立っているのだ。

引用:貧困の終焉 ジェフリー・サックス

 

それぞれが世界の状況をよくするためにできることはあるんです。

「自分一人がやったところで」って悲観的に思う前に、行動しましょう。

 

 

一人一人の小さな思いやりの積み重ねが、やがて貧困問題を解決していくと信じています。

 

 

国際協力は初心者なぼくにとっては、持ってこいの一冊でした。

興味がある人はぜひ読んでみてください。

 

 

 

ではまた!!