こんにちは。
遠藤 暁(@str_se)です。
先日JICAボリビア40周年記念式典やボランティア総会のために首都に上がっていました。
久しぶりの首都は、朝と夜が冷えて寒かった記憶しかありません。
首都から任地に帰ると、任地が暑すぎて最悪な気分でした(笑)
さて、その総会の一部で来年の1月に帰国する隊員の人の「帰国報告会」があったんですよ。
2年間の活動のまとめや振り返りとして、事務所の所長や職員の人の前でのプレゼン。
今回プレゼンしたのは4人。
その中の3人がスポーツ隊員という、ぼくにとってはありがたい状況でした。
約2年間活動してきた人の話を聞くだけでかなり学ぶことや気づきがあったので、ここにまとめておきます。
ぜひみなさんも参考にしてください。
やることを選定する
まずはこれ。
みなさん協力隊として海外に来て、もしくはこれから行くひとのなかで
「せっかく協力隊として来たんだから、やれることは全部やろう!!」
といって、あれもやりたいこれもやりたい、自分で思いついたこと・配属先からいわれたこと全部やってみようと考えているひともいるのではないでしょうか。
もちろんそれが悪いことだというつもりは微塵もありません。
その積極的な姿勢はすばらしいですし、むしろそのように何事にもトライすることは大切でしょう。
しかし帰国報告会のなかで
「活動計画(やりたいこと)を盛り込みすぎてしまって、処理しきれなかったのは反省」
と言っている隊員さんがいました。
もう一度いいますが、やりたいことがたくさんあるのはいいことです。
しかし協力隊の任期は2年間と決まっています。
泣いても叫んでも、アメーバ赤痢になっても食中毒になっても、「2年間」という任期は変わりません。
その限られた時間で自分も配属先も満足のいく結果・成果を残すためにはどうすればいいのか。
べつに結果や成果を残すのが使命っていうわけではありませんが、協力隊としてなにかしら形として残すことが大切ともいわれます。
そんななか、自分のやりたいこと・配属先が求めていることの中で「優先順位」をつけて、本当に大事なことからやっていくのも一つの手かなと思いました。
ただここのバランスは結構難しいと思うんですよね。
重要な課題を解決するのに注力するのも大切ですが、逆にいろんなことを断りまくっても新たなチャンスを逃しかねない。
もちろん一番いいのは、やれることを全部やること。
でもやることが多すぎて全部が中途半端になるのもよくない。
なにがいいとかこれはよくないとか、正解なんてないと思います。
ここに関しては自分に合ったやり方を考えてやっていくしかないですね。
一種の割り切り
続いてはこれ。
隊員のなかには「これやってて意味あるのか?」とか「これって誰でもできるじゃん」と思うような活動や仕事があるとのこと。
正直いうとぼくの職種である「サッカーコーチ」なんて、やろうと思えば現地のひとでもできる。
サッカー経験したことがあればもちろんできるし、極端な話サッカー未経験でも練習メニューをネットで調べたりすればできちゃいます。
まぁさすがに自分がやったことないスポーツの指導者をやろうと思うひとは少ないと思いますが。
でもそこに、ボランティアとして自分がきて活動している意味を見いだせるかどうか。
ふてくされてやる気を失うのは簡単だし、仕事を放り出すのも簡単。
そうじゃなくて「この活動がいずれなにかにつながる」とか「これをやることで現地の人たちのためになる」というような割り切った気持ちを持って取り組むことも大切。
地味な活動も多かったけど、もうこの際一つの"仕事"として割り切ってやっていた
という隊員さんもいました。
その隊員さんのちょっとしたことの積み重ねがやがて大きなものとなって、現地のひとや配属先のひとから感謝されていた映像は素晴らしいものでしたよ。
毎日と顔をあわせるひとと信頼関係を気づくには、地味なことでもコツコツやっていくことが大切。
一つ一つの行動や活動に意味を見出すんじゃなくて、もう深く考えずに割り切って「やるべきこと」としてやっていく。
ぼく自身も「自分がここにいる意味はあるのか」とか「これやっていて意味があるのか」って思うこともありますが、全部を否定的に捉えるんじゃなくて「何かに繋がる」とかポジティブに捉えること。
そういった姿勢も大切なんだなと感じました。
継続させることの難しさ
最後はこれ。
いろんな悩みや葛藤がある中で、これが一番大変なんじゃないかと思います。
要するに、自分(ボランティア)がいなくなっても現地のひとたちが「彼ら自身で」取り組みを続けられるかどうか。
2年間やってきたことも、現地のひとたちからしたら「ボランティアがいたからこそできた」なんてこともあります。
つまりボランティアが帰国したらもう彼ら自身ではできない。
2年間限定の活動で終わってしまう。
一緒に協力して素晴らしい活動をして2年間で成長したとしても、自分が帰国したらまた元も状態に戻ってしまう。
これってすごくもったいないと思いませんか。
でもこの「彼ら自身で継続できるか」って、すごく重要でありながら実現するのはめちゃくちゃ難しいんです。
もちろん後任を要請することも可能ですけど「彼ら自身でできるようになること」を前提として取り組んでいかないと、いつまで経ってなんの解決にもなりませんし、永遠にボランティアが必要になるだけ。
協力隊事業は自然災害などの緊急支援ではないので、基本的に現地のひとたちが主体的に動くことが大切。
これらのことを文章で書いてみなさんに説明するのはビックリするくらい簡単なんですが、実際に実行するとなるととんでもなく難しい。
スポーツ隊員で「自分がいなくなったら子どもたちの練習のモチベーションが下がった」「一緒に練習して上達したけど、また元のレベルに戻ってしまった」といっている人がいました。
現地のひとたち自身でモチベーションを保つこと、やり続けることがどれだけ難しいか。
いまはこれに関する解決策なんてまったく思い浮かびません。
ぼく自身も任期中はこの問題と向き合い続けていくことでしょう。
協力隊のひとはもちろん、国際協力関係の仕事や活動をしているひとたちはみんなここの部分は常に考えているんじゃないかと思います。
難しいけど、現地のひとと一緒に取り組んでいくしかありませんね。
最後に
今回この「帰国報告会」を聞けてよかったと思っています。
2年間過ごしてきて感じた生の体験や感情を感じれるので、めちゃくちゃ面白いんですよ。
プレゼンを聞いてぼくが思ったことを記事にしましたが、少しでもみなさんの参考になってもらえれば幸いです。
ではまた!!